鶴見の坂道

鶴見の坂道 その15 古坂(ふるさか)

諏訪坂下から寺谷方向に百メートルほど進み、橋爪病院の方から北進する道が交差するところを、右に諏訪坂に向って登りはじめると道は坂の中ほどから左に右に電光形の急坂となり、登り切って広い諏訪坂道を横切り、住宅の中を三十メートルばかり進むと左にゆ…

鶴見の坂道 その14 諏訪坂(すわざか)

諏訪坂下から正面の広い坂道を昭和坂上に通じる百五十メートルほどの坂で、登り口右側に横浜市が建てた「諏訪坂」の鉄製の標柱があります。この坂道は昭和の初めころ、鶴見耕地整理組合により開発されたものです。かなり傾斜がありますので、冬期積雪の多い日…

鶴見の坂道 その13 旧諏訪坂(きゅうすわざか)

寺尾台地の北端が拳状に突出した諏訪山には、古墳時代の後期に、この地域の豪族の墳墓(円墳)が築かれました。時代は降って鎌倉時代の中ごろには幕府の有力御家人秋田城介義景の別荘がこの辺りに設けられたようです(『吾妻鑑』)。 現代語訳吾妻鏡〈1〉頼…

鶴見の坂道 その12 新坂(にいざか)

県道、鶴見・溝ノ口線、市バス宝泉寺停留所下車、五十メートルほど南に進み、宮の下十字路を右に曲るともう坂の入口です。ゆるやかな坂道を少し歩くと右側に古い寺格を偲ばせる曹洞宗長谷山宝泉寺の立派な山門があります。宝泉寺は、小田原北条氏の家臣でこ…

鶴見の坂道 その11 弁天坂(べんてんざか)

国道一号(第二京浜国道)飯山交差点付近に、この国道が開設された昭和十二年ごろまで、横浜商科大学正門前に至る旧道の長い坂道がありました。この坂を土地の人たちは「弁天坂」と呼んでいたそうです。いまは幻の坂になっていますが、現在、国道沿いにある「藤…

鶴見の坂道 その10 庚申坂(こうしんざか)

横浜商科大学の南側にある、車一台ようやく通れるだけの狭い坂道を庚申坂といっています。国道一号(第二京浜国道)岸谷バス停の裏にある市道と並行して山根が通り、そこから分かれる幅六尺(約一・八メートル)たらずの坂道で、下の方は二股に分かれていま…

鶴見の坂道 その9 昭和坂(しょうわざか)

大正九年(一九ニ○)、現・JR鶴見駅西口が開設されると、豊岡地区はもとより東寺尾・北寺尾一帯は台地も谷戸も急速に開発され、とくに、大正十二年の関東大震災で軟弱地盤のため多大の被害を受けた東海道線東側の住民たちは、競って西側の山手地区に住居を…

鶴見の坂道 その8 道灌坂(どうかんざか)

寺谷二丁目と豊岡との境の山(現・二見台)を土地の古老たちは道灌山と呼んでいます。近くに兜塚や夢見ヶ崎など太田道灌にまつわる史跡があり、この道灌山もそれらの故事に結びつけたものと思われます。 大正十年ごろまで寺谷大池の用水堀が、この道灌山の西…

鶴見の坂道 その7 見返し坂(みかえしざか)

鶴見駅西口の豊岡通りから獅子ヶ谷方面に向かうバス道路を、月見ヶ丘に登る坂。明治五年(一八七ニ)五月七日、日本で最初の鉄道が品川・新橋間に開通しましたが、同年九月十二日には新橋・横浜間が全通して、川崎と神奈川の間に鶴見駅が設けられ、翌十三日…

鶴見の坂道 その6 手枕坂(てまくらざか)

鶴見大学の正面辺りから左へ登り総持寺の鐘楼の前を通り、さらに穴熊稲荷の左側を子生の坂口に出る延長百八十二メートル、幅二メートルの坂。この坂は、大正六年に境内整備のため、廃坂となっています。総持寺の南の台にあったので、南台の坂とも呼ばれてい…

鶴見の坂道 その5 伊藤の坂(いとうのさか)

人名のついた坂も珍しい。総持寺の鐘楼のある山、三宝荒神の裏側を渋谷病院(現在の鶴見西口病院)に下る鉤の手の曲線、狭いうえに急勾配なこの坂を伊藤の坂と呼んでいます。名称の起りは、大正七年ごろ、現在の富士電機、第六芙蓉寮(現存せず?)一帯に伊…

鶴見の坂道 その4 子生坂(こいけざか)

花月園競輪場の右隣に子生山東福寺があります。寺に入る脇の坂を子生坂といい、東福寺への参道の坂ではなく、古くから鶴見、生麦方面から東寺尾、東台・中台を経て、諏訪坂、末吉、北寺尾に至る鶴見の丘陵地帯を南北につらぬく街道でした。坂の名は、寺の山…

鶴見の坂道 その3 貝助坂(けいのすけざか)

岸谷から鶴見駅に至る市道(旧街道)のバス停「柳町」の前広整形外科前を丘の方に登る坂道。その右隣の階段を登ると、その上は曲がりくねった坂道になり百メートルほどで、花月園競輪場の外壁に突き当たり、この道は通行止めになります。この住宅街の坂を「貝…

鶴見の坂道 その2 台の坂(でいのさか)

岸谷一丁目と三丁目の境にある岸谷派出所(注:現在はありません)、その脇の狭い坂を台の坂と呼んでいます。派出所前の信号、十字路を左に曲がればバス通り、曲がりくねりの多い市道(旧道)国道の手前、岸谷二丁目バス停付近に岸谷の二ツ池(泉池、新池)が…

鶴見の坂道 はじめに

先日、こんな本を発見しました。 鶴見の坂道 編集: 鶴見歴史の会・横浜市鶴見図書館 発行: 横浜市鶴見図書館 発行日: 1991/3/31 「坂道ファン」は意外と多いようで、タモリ(日本坂道学会副会長!)などは坂道の本まで出しています。タモリのTOKYO坂道美学入門…

鶴見の坂道 その1 滝坂(たきざか)

鶴見区岸谷一丁目と神奈川区子安台の境界に狭い坂道があります。山根に沿う旧道と平行してJR東海道、京浜東北線等が通り、坂の上り口付近に滝坂踏切があります。坂を五十メートルほど登った右側に「滝坂不動尊」がありますが(注:現在は港北区に移転したそう…