寺谷二丁目と豊岡との境の山(現・二見台)を土地の古老たちは道灌山と呼んでいます。近くに兜塚や夢見ヶ崎など太田道灌にまつわる史跡があり、この道灌山もそれらの故事に結びつけたものと思われます。 大正十年ごろまで寺谷大池の用水堀が、この道灌山の西側の裾を流れていて、その水源・寺谷大池の放水樋の痕跡がバス通り右側(豊岡の方から)の民家の裏下手に残っています。 この樋から流れ出る用水堀に沿って、橋爪病院の方から上ってきた街道が、樋のすぐ下手に架けられた土橋を渡って大池の土手の東端付近に登ると、道は右、左に曲がりながら現在の朝日新聞豊岡(現・寺尾)販売所の付近で大きく左に折れて斜めに丘陵に向って登ります。この坂道を土地の老人たちは「道灌坂」と呼んでいました。
- 作者: 黒田基樹
- 出版社/メーカー: 戎光祥出版
- 発売日: 2009/09/01
- メディア: 単行本
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