武士道シックスティーン・セブンティーン・エイティーン 感想

今さらですが、読みました。
映画化・漫画化もされている評判の作品だけあって、とても面白かったです。
武士道シックスティーン [DVD] 武士道シックスティーン(1) (アフタヌーンKC) 武士道シックスティーン 1 (マーガレットコミックス)


※ネタバレ注意

武士道シックスティーン

武士道シックスティーン (文春文庫)

武士道シックスティーン (文春文庫)

武蔵を心の師とする剣道エリートの香織は、中学最後の大会で、無名選手の早苗に負けてしまう。敗北の悔しさを片時も忘れられない香織と、勝利にこだわらず「お気楽不動心」の早苗。相反する二人が、同じ高校に進学し、剣道部で再会を果たすが…。青春を剣道にかける女子二人の傑作エンターテインメント。(amazon)
主人公二人のキャラクターがとても魅力的。ストーリーも「青春ど真ん中!」という感じで好感がもてます。
各章ごとに磯山香織・甲本(西荻)早苗それぞれの一人称で話が進むのですが、二人の性格の描き分けが巧みで、またストーリーが若干重複している部分があり「相手方がこう思っていたんだ」という事が分かる上手い構成になっています。

武士道セブンティー

武士道セブンティーン (文春文庫)

武士道セブンティーン (文春文庫)

「強さは力」の香織と「お気楽不動心」の早苗。対照的な相手から多くを吸収したふたりだったが、早苗は、家の事情で福岡の剣道強豪校に転入。そこでの指導方法の違いに戸惑う。一方、香織は後輩の育成に精を出す。互いを思いつつも、すれ違うふたりは、目指す剣道に辿り着けるか。大人気剣道青春小説、二本目。(amazon)
「武士道」とは?が今作のメインテーマ。
物理的に距離が離れている為、二人の絡みが少なく物足りなく感じる人もいるかもしれません。
不良学生退治や果たし合いなど、やや劇画チックな展開も。

武士道エイティー

武士道エイティーン

武士道エイティーン

高校時代を剣道にかける、またとない好敵手。最後の夏、ふたりの決戦のとき。新進気鋭が放つ痛快・青春エンターテインメント、いよいよ天王山!わたしたちは、もう迷わない。この道をゆくと、決めたのだから。(amazon)
今作は、主人公二人の視点の他に早苗の姉・緑子、香織の師匠・桐谷玄明、早苗の剣道部顧問・吉野、二人の後輩・田原美緒の視点で語られるスピンオフ4エピソードが収録(それぞれの「18歳」が描かれています)。
物語の奥行きが広がったか散漫になったかは意見の分かれるところだと思いますが、前二作で香織と早苗の関係性・二人の「武士道」の答えがある程度固まっているのでこの構成も致し方の無いところでしょうか。
もちろん最後のインターハイ場面は盛り上がりますし、エピローグも二人の今後を想像させてくれて読後感はとても素晴らしいものでした。