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ジャズのドラムを『ロッキー』のような格闘技として描いた今年いちばん燃えた映画!(町山智浩/映画秘宝2015年3月号)

2015年公開。監督は次作『ラ・ラ・ランド』で史上最年少のアカデミー監督賞に輝いたデイミアン・チャゼル
この作品でも編集賞・録音賞・そしてJ・K・シモンズ助演男優賞を受賞しています。その事実が示す通り、この映画の一番の見どころはやはり彼の演じたフレッチャー教授の強烈なキャラクターではないでしょうか。私も子供の頃は教師による体罰など当たり前の時代だったので、場の異様な緊張感含め非常にリアルに感じられました。
そしてこの作品、公開当初は賛否両論あったようですが、「否」の方の意見としては次の2つに大きく分類されていたように感じます。
一つ目はこれでは「ジャズ」というものが誤解されてしまうというもの。
私はジャズには全く詳しくないのですが、まあこの映画で初めて触れたという方ならともかく、少ないながらも他作品でジャズの楽しい面も知っている身としてはいささか考えすぎな気もしますし、そもそも監督の意図としてはそこに主眼を置いていないように思います。
↓ジャズの楽しさといって真っ先に私が思い浮かべたのはこの2作品
 
もう一つは主人公2人の性格が悪すぎて感情移入出来ないというもの。
そもそもこの話はゲスいんだけどなぜか惹かれてしまう主人公の話だと思っているので、これはもう好みの問題としか…
近年だとこの映画とか
そして、そんな否定的意見の方でも認めざるを得ないであろう圧巻のクライマックス。
ここでも私は、二人が分かり合ったというよりは、たまたまゲス同士の利害がその瞬間だけ一致した、つまり今後も上手くいくとは到底思えない(だが、そこがいい)と感じました。
切れ味最高のラストは、『ラ・ラ・ランド』でも思いましたが、この監督のスタイルなのかもしれませんね。


※余談ですが主人公アンドリューの父親役の方、どこかで見た事ある顔だなーと観賞中ずっと思っていたのですが、『エイリアン2』でリプリーのお目付け役として同行し、彼女らにエイリアンを寄生させようとしていた裏切者カーター・バークの人でした。実に約30年ぶりの再会(笑)
引用:avp.fandom.com