エイリアン4 感想

  

こりゃ、スターリンの「虫」だ。つまりサビしかない!「四作目だから前置きなんて要らないよな」とばかり、開幕十分でエイリアン大暴走、あとはドドドドドとベードラ連打でぶっ飛ばすナパームデス系映画。『ヘルレイザー2』の疾走感と言えばわかる人にはわかるかな。スプラッタ度も四作中最高。奇形もいっぱい。ここまでやれば、ボッシュやベーコン、ウィトキン、日本の地獄草子みたいに、もはやゲージツ!滝本さんは好きだろうな。(町山智浩/映画秘宝期間限定版ベストテンなんかぶっとばせ!!)

1998年公開。
リドリー・スコットジェームズ・キャメロンデヴィッド・フィンチャーという巨匠たちからバトンを受け取ったジャン=ピエール・ジュネ監督のシリーズ第4弾。
   
↑ちなみに各監督の『エイリアン』後の作品がこちら。ジュネ監督が一番振り幅が大きいですかね。

主演はシガニー・ウィーバーが続投。3作目がイマイチで渋っていたのが、本作での新しいリプリー像が気に入り出演の運びとなったとか。

そんなリプリーがエイリアンの遺伝子が混ざったクローン体であったり、ウィノナ・ライダー扮するアナリーが人間臭いアンドロイドだったり、はたまた終盤に登場する「ニューボーン」エイリアンもまた人間とのハイブリッドだったりと色々と考えさせられる設定の脚本も面白く、誰が書いたのかと思ったら『アベンジャーズ』の監督でお馴染みジョス・ウィードンで納得。
2以来の大量発生でエイリアン達が暴れまくる派手なアクションの中にこう言った深いテーマをさりげなく入れ込んで来るところも良かったです。

『エイリアン』と言えば1作目と2作目が評価が高いと思うのですが、なかなかどうしてこの4作目も傑作だと思いました。

 
「ニューボーン」には、なんとなく「風の谷のナウシカ(原作版)」に登場する巨神兵・オーマに似たもの悲しさを感じました。