バンク・ジョブ 感想

  


町山智浩 - バンクジョブ 英国が封殺した事件の映画化 ジェイソン・ステイサム主演

二挺拳銃やワイヤー・アクションを封印したジェイソン・ステイサムが70年代英国ノワールを再生。(町山智浩/映画秘宝2009年3月号)

2008年公開。監督はロジャー・ドナルドソン。彼の作品はこれが初観賞なのですが、フィルモグラフィを見ると色々なジャンルをこなす職人監督のようです。
 このあたりが有名ですかね。

主演はジェイソン・ステイサム。肉体を駆使したアクション俳優のイメージですが、本作ではそれを封印し陰謀に巻き込まれる男を好演しています。
 助演だと非アクションの良作もチラホラ。

前半は金庫破りもの、後半はスパイ風サスペンスが楽しめる傑作。
それにしても「本当に実話なのか?」と疑いたくなる程スゴイ話です。確かに脚色の部分も多いのでしょうが、登場人物のほとんどが偽名な中、マイケルX、ハキム・ジャマル(マイケルの仲間)、ゲイル・ベンソン(マイケルに殺害された女性)、マウントバッテン卿、そしてマーガレット王女は実名で登場します。と言う事は少なくともこの人たちが関わっている部分は事実の可能性が高いのではないでしょうか。

ストーリーは多くの人物や組織の思惑が複雑に絡み合い、集中して観ないとちょっと困惑してしまうかもしれませんが、上の町山さんの紹介が非常に分かりやすいです。ただし解説が面白過ぎて、先に聞くと映画がつまらなく感じてしまうかもしれないので要注意(笑)。