柔道龍虎房 感想


tomomachi.hatenadiary.org
2006年公開のジョニー・トー作品。
非常に多作な方でウィキによると本作は27作目、現在通算46作を監督しています。

さて、この作品は黒澤明の『姿三四郎にオマージュを捧げている為、香港映画なのに登場人物は全員柔道で戦うという一風変わった映画です。

かつて柔道界で名を馳せたが現在は落ちぶれ、酒とギャンブルに溺れるナイトクラブの店長シト・ポウ(ルイス・クー)の元に武者修行中の柔道馬鹿トニー(アーロン・クオック)と歌手を夢見る少女シウモン(チェリー・イン)が訪れます。
物語はこの3人の友情とも呼べない奇妙な関係の中で、ある理由から柔道を捨ててしまったポウが過去と向き合い前に進むまでを描いていきます。

観賞前は「主人公が柔道でギャングや殺し屋たちと戦う」みたいなのをイメージしていたのですが、実際にはちょっと懐かしい感じの青春ドラマであり、また宇多丸さんがよく言う「負け犬たちのワンス・アゲイン」映画でもありました。

ギャングのボスやナイトクラブのオーナー、かつての柔道のライバルなど悪役かと思ったキャラクターがみんな実はいい人なのも、監督の彼らへ向ける優しいまなざしを感じたり。

色々とヘンテコなところもありますが、妙に爽やかな感動の余韻を残すなんとも不思議な映画でした。

mayojo1207.hatenablog.com
mayojo1207.hatenablog.com
mayojo1207.hatenablog.com