イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ 感想

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爆笑ドキュメンタリー映画バンクシーっていう落書きアーティストがいてね。彼は街の壁や店の塀に勝手に落書きをするんだけど、イスラエルパレスチナ人を隔離するために建てた壁に穴を描いたり、KKKが黒人をリンチした場所に逆にKKKがリンチされてる絵を描いたり、命がけのゲリラ活動をしてるから顔や本名は秘密なの。そんなバンクシーのファンのおっさんがバンクシードキュメンタリー映画を監督したいって撮影をするんだけど、このおっさんズブのシロウトで、出来上がった映画がもうヒドかったわけ。それでバンクシーは自分で監督しようと言い出す。でも、主役は自分じゃなくて、そのおっさんだと。まったくのシロウトのおっさんをバンクシーがプロデュースしてアーティストにデッチ上げるわけ。作品は全部、ウォーホルやリキテンシュタインのマネ。しかもおっさんは何もできないから、画学生をバイトでやとって描かせる。それをおっさんの作品として展覧会を開いたら、このインチキな絵がバカ高く売れちゃうんだ(笑)。要するに中国なんかの投機筋が株や不動産がダメだからアートに投資してるだけなんだ。バンクシーが言いたいのは、今のアート・ビジネスなんてクズだってこと。彼自身は道端の壁に描いて、自分のアートをタダで世間に提供してるんだよね。(町山智浩/映画秘宝2011年3月号)

2011年公開。
数年前、日本でも彼のものらしき作品が発見され話題になったバンクシーが(結果的に)監督したドキュメンタリー。
ビデオ撮影が趣味の一般男性ティエリー・グレッタがストリートアーティストを題材に映画を製作するはずが何故か自らミスター・ブレインウォッシュと名乗り芸術活動を初め、あれよあれよと言う間に売れっ子になって行く様はまるでジョークを見る様。
当時はヤラセ疑惑もあった彼が、日本でも個展を開くなど現在も活躍中なのには皮肉や「アート」と言うものの不可思議さを感じずにはいられませんでした。