アルプスの少女ハイジ 35周年メモリアルボックス (期間限定生産) [DVD]
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 2008/02/22
- メディア: DVD
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驚くほどの完成度の高さ
35年ほど前の作品ですが、普遍的なテーマを扱っている為現在視聴しても古臭さをほとんど感じませんでした。
作画のクオリティも鑑賞に堪えうるレベルですし、ストーリーもアルムの山での暮らし→フランクフルトでのクララとの出会い→再びアルムの山へ(有名な「クララが立った!」のエピソード)と、見事な構成で飽きさせません。音楽も素晴らしい。
またこの作品には、高畑勲(演出)・ 宮崎駿(場面設定・画面構成)さらに絵コンテで富野喜幸(現・由悠季)が参加と、日本アニメ界の重鎮3名が携わっています。
「クララが立った!」シーンの記憶改ざん
有名なこのエピソード。私の子供の頃の記憶ではこう。
クララ「どうせ歩けるようになれない」とヤケになる
→ハイジ「クララのばか!」
→クララ、突然立ち上がる
→泣いて喜ぶハイジ。傍らで見ていたペーターが「クララが立った!クララが立った!」と逆立ちしてはしゃぎ回る
TVの「なつかしのアニメ特集」などで何度も紹介されましたが、実際はこう。
まず、クララがおばあさんと二人のときに、牛が近づいて来て驚いたクララが無意識に立ち上がる
→話を聞いたハイジたちが大喜び。「すぐに立って歩けるようになる」とおばあさん・ハイジ・ペーターがクララにプレッシャー(笑
→周囲のプレッシャーとなかなか立てるようにならない焦りでクララキレる
→「クララのばか!」
→クララ、立ち上がる
→ここで「クララが立った!」と言うのはハイジ。後ほど山から下りてきたペーターも同様のセリフ。
→ペーターが逆立ちして喜ぶのはクララが歩いたとき
でした。人間の記憶っていいかげんですね。皆さんのこのシーンの記憶はどうだったでしょうか?
※余談ですが私は子供たちの年齢差を、クララ>ペーター>ハイジの順だと思っていましたが、
実際はペーター(ハイジの6つ上)>クララ(ハイジの4つ上)>ハイジでした。
なぜ「世界名作劇場」ではないのか
この作品、公式には「世界名作劇場」には含まれていません。
そこには大人の事情があるようです。
「ハイジ」のOP。「瑞鷹エンタープライズ」の社名が読みとれます。
次作「フランダースの犬」では「日本アニメーション」に変わっています。
その背景にはこんなことがあったそうです。
- 1975年 「瑞鷹エンタープライズ」のアニメ制作子会社「ズイヨー映像」内部で労使関係の紛争が勃発。その結果、社長を含めたほぼ全社員・スタッフが退社。新会社「日本アニメーション」を設立。
- その結果、既に制作終了していた「アルプスの少女ハイジ」の権利は「瑞鷹エンタープライズ」(現・瑞鷹株式会社)へ、制作中の「フランダースの犬」の権利は「日本アニメーション」が持つこととなりました。
(参考:ハイジ大百科さん)
しかし、そんな大人の事情は私には関係ないので、当ブログでは「ハイジ」も「世界名作劇場」の作品として扱わせていただきます。