世界名作劇場 アルプスの少女ハイジ 感想

いまだに世界中の人が観続けてるのは、全ての面において普遍性を獲得しているからでしょう(神山健治

関連:神山健治の「監督をやるなら観ておきたい20本」


※ネタバレ注意
以前録り貯めていたものを、ようやく全話観終わりました。

驚くほどの完成度の高さ

35年ほど前の作品ですが、普遍的なテーマを扱っている為現在視聴しても古臭さをほとんど感じませんでした。
作画のクオリティも鑑賞に堪えうるレベルですし、ストーリーもアルムの山での暮らし→フランクフルトでのクララとの出会い→再びアルムの山へ(有名な「クララが立った!」のエピソード)と、見事な構成で飽きさせません。音楽も素晴らしい
またこの作品には、高畑勲(演出)・ 宮崎駿(場面設定・画面構成)さらに絵コンテで富野喜幸(現・由悠季)が参加と、日本アニメ界の重鎮3名が携わっています。

「クララが立った!」シーンの記憶改ざん

有名なこのエピソード。私の子供の頃の記憶ではこう。
クララ「どうせ歩けるようになれない」とヤケになる
→ハイジ「クララのばか!」
→クララ、突然立ち上がる
→泣いて喜ぶハイジ。傍らで見ていたペーターが「クララが立った!クララが立った!」と逆立ちしてはしゃぎ回る


TVの「なつかしのアニメ特集」などで何度も紹介されましたが、実際はこう。
まず、クララがおばあさんと二人のときに、牛が近づいて来て驚いたクララが無意識に立ち上がる
→話を聞いたハイジたちが大喜び。「すぐに立って歩けるようになる」とおばあさん・ハイジ・ペーターがクララにプレッシャー(笑
→周囲のプレッシャーとなかなか立てるようにならない焦りでクララキレる
→「クララのばか!」
→クララ、立ち上がる
→ここで「クララが立った!」と言うのはハイジ。後ほど山から下りてきたペーターも同様のセリフ。
→ペーターが逆立ちして喜ぶのはクララが歩いたとき

でした。人間の記憶っていいかげんですね。皆さんのこのシーンの記憶はどうだったでしょうか?
※余談ですが私は子供たちの年齢差を、クララ>ペーター>ハイジの順だと思っていましたが、
実際はペーター(ハイジの6つ上)>クララ(ハイジの4つ上)>ハイジでした。

なぜ「世界名作劇場」ではないのか

この作品、公式には「世界名作劇場」には含まれていません。
そこには大人の事情があるようです。
 「ハイジ」のOP。「瑞鷹エンタープライズ」の社名が読みとれます。
 次作「フランダースの犬」では「日本アニメーション」に変わっています。
その背景にはこんなことがあったそうです。

(参考:ハイジ大百科さん
しかし、そんな大人の事情は私には関係ないので、当ブログでは「ハイジ」も「世界名作劇場」の作品として扱わせていただきます。