The Secret Lives of Dentists(ザ・シークレット・ライブス・オブ・デンティスツ) 感想

 

The Secret Lives of Dentistsは、アランルドルフ監督の2002年のドラマ映画です。 脚本は、ジェーン・スマイリーの小説「悲しみの時代」に基づいて、クレイグ・ルーカスによって書かれました。 サンダンスやカンヌなどいくつかの映画祭で上映され、2003年8月1日にアメリカで限定公開されました。
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アラン・ルドルフ監督は、ロバート・アルトマンと長く一緒に仕事をしており、また本作が21作目となる大ベテラン。

↑現在日本で入手可能な監督作(海外版含む)。残念ながら一本も観た事がありません。

この映画は町山智浩さんの2003年ベストテン第8位にランクインした作品なのですが、日本未公開・未ソフト化。調べた限りテレビ放映や配信もされた事がないようです。

ネットで感想を検索しても下記のブログが1件見つかっただけでした。
ja.naoko.cc
観れないとなるとますます観たくなるのが人情という訳で、ついに海外版DVDを取り寄せてしまいました。
しかし、困ったことに私は高校時代は万年赤点全く英語が解りません
英語字幕が入っていたので表示しながら観賞してみたのですが、うーん…ぼんやりと話は分かったんだけど多分テーマとか全然読み取れてない感じ。

続いて全字幕を抜き出しgoogle翻訳するという気の遠くなるような作業を経て、ストーリー運びは大分理解できるようになりました。ただ、翻訳の精度が上がったとは言え物語の根幹に関わるセリフはやはり難しく意味が捉え辛い。

幸いにしてこの作品は原作があり、しかも日本語版が出ているので、「こうなったらとことん調べてやる!」という意気込みの元購入。

原作者のジェーン・スマイリーは「大農場」でピューリッツァ賞受賞経験のある作家。同作は映画化もされています。
 

映画とは違う部分も色々とあったのですが、重要なセリフはそのまま使われているものも多く、大変参考になりました。

ストーリー

完全ネタバレ。また、あくまで私の解釈なので本来の脚本とは若干異なっている可能性があります。

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主人公のデビッド・ハーストは妻・デイナと共同で歯科医院を経営し、三人の娘の子育てもしっかりやっている良き父親でもあります。
ある日、彼の医院にめんどくさい患者・スレーターがやって来ます。

粗暴で口うるさい彼を何とかいなして治療を終えた数日後、
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彼はデイナが所属している合唱団が出演するオペラ公演の楽屋で見知らぬ男と抱き合う妻を目撃してしまいます。

その後デビッドは観客席で偶然スレーターと再会。
あんたに治療してもらった詰め物が取れたぞ」と大声で怒鳴られ公衆の面前で赤っ恥をかかされます。

帰宅後も様子がおかしい妻。振り返ってみれば、最近は不自然な外出が増えたような気がします。
徐々に精神的に追い詰められていくデビッド。

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詰め物を治す為に再来院したスレーターを治療した帰りの車中で、彼の幻が現れデビッドに語り掛けます。「あんたはまるでこの家のママみたいだな」

スレーターのアドバイスを受け、デイナとの会話を増やそうとするデビッド。
しかし、彼女は塩対応
夕食時、今まで甘やかして来た末娘がわざと料理をひっくり返し、それを激しく叱りつける彼をたしなめる妻にブチ切れます
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毎日がメチャクチャだ!
終いにはスレーターにそそのかされ「コ○スぞ!」みたいな事まで、つい口走ってしまいます。

なんとか仲直りしたものの、変わらず不自然な外出を繰り返すデイナと、彼女の口から決定的な言葉を言わせまいと逃げ回るデビッド。
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そんな折、インフルエンザに罹ってしまった彼は精神と肉体を襲う辛さに耐え切れず妻の足にすがって号泣

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しかし、落ち込んでいる暇もなく長女もインフルエンザを発症。
続いて三女→妻→次女と次々に発症し、おちおち寝込んでもいられません。

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嵐のような数日間を経てようやく落ち着いたデビッドは、ついにデイナと正面から向き合う決心をします。
「それで、出ていくつもり?」
「行かないわ」
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デビッドの決断を見届けたスレーター(幻)は彼の元を去っていくのでした。

感想

スレーターはデビッドにとっての「タイラー・ダーデン(理想の自分)」であり、これは彼が男性性や父権を取り戻す話、いわば「家庭版『ファイト・クラブ』」みたいな感じなのかな?と途中までは思っていたのですが、終わってみれば、人生における「嘆きの時代」(≒ミドルエイジ・クライシス)を描いた「結婚」についての映画だったんだなと感じました。
※でも直後の感想は、描写のリアルさとシーンの尺の長さのせいで「家族全員インフルエンザに罹ると大変だな~」でした(笑)

出演

キャンベル・スコット
主人公デビッド・ハースト役。
私は未見ですが『アメイジングスパイダーマン』で、ピーターの父親を演じていたそうです。
他には『ラブソングができるまで』のソフィー(ドリュー・バリモア)の元恋人役など。
 

ホープ・デイヴィス
デイナ・ハースト役。
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』 トニー・スタークの母親
アバウト・シュミット』 ウォーレン(ジャック・ニコルソン)の娘など。
 

デニス・リアリー
スレーター役。
アメイジングスパイダーマン』 グウェンの父親
デモリションマン』 スパルタン(スタローン)と共闘するレジスタンスのリーダーなど。
でも、日本で一番知名度の高い役はもしかしたら『アイスエイジ』のディエゴ(サーベルタイガー)の声かもしれません。