千年女優 感想

2010年に46歳の若さで亡くなった今敏さんの監督第二作。
実は第一作の『PERFECT BLUE』もかなり以前テレビで視聴した事があるのですが、当時の自分には内容がハード過ぎて途中で見るのをやめてしまった記憶があります。
そして最近になって同作がダーレン・アロノフスキーの『レクイエム・フォー・ドリーム』『ブラック・スワン』、『パプリカ』がクリストファー・ノーランの『インセプション』に影響を与えていることを知り、再び興味を持っていたところで今回の観賞となりました。
まずは監督の師匠である大友克洋や、江口寿史を思わせる魅力的なキャラクター、緻密で美しい美術・背景に感動。
そして今作品に共通するテーマ「現実と非現実の境界の消失」とでも言いますか、今回は現在・過去・未来、現実と映画の世界(千代子や立花の妄想も?)の境界線が曖昧になっていく感じ。ここを「面白い」と感じるか「訳わかんない」と思うかでこの作品の評価が分かれる気がします。
私も最初、立花が千代子の回想に介入して来た時は「え?」と思ったのですが、後にそれが彼の正体の伏線になっていたと解った時はなるほどと思い、あとは面白く観る事が出来ました。
今回、監督の作品を観るきっかけを与えてくれた町山智浩さんに感謝するとともに、氏が仰っていたように今監督は「もっと評価されるべき」(私が知らなかっただけかもしれませんが)と思いました。


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