バッドサンタ 感想

  

アメリカでは師走になると、デパートやショッピングモールにサンタさんが雇われて子供たちからプレゼントのリクエストを聞き、一緒に写真を撮る。マンハッタン34丁目に実在する老舗デパート、メイシーズのサンタを主人公にした映画『三十四丁目の奇跡』は毎年クリスマスにテレビで放送される定番。1人の少女(子役時代のナタリー・ウッド)がメイシーズのサンタを本物だと思い込んだことから裁判にまで発展するコメディだが、それを元にしたこの『バッド・サンタ』は、サンタ映画史上初のR指定を食らった。なにしろサンタ(ビリー・ボブ・ソーントン)が酔っ払ってゲロを吐くシーンで始まるのだ。ビリー・ボブはデパートの雇われサンタだが重度のアル中で、いつも酒瓶を離さず、子供を膝に抱いたまま座り小便までする人間失格。そのくせ若い娘に目がなくて、しかもアナルが大好き。「明日はクソするとき痛いぞ」と言いながら女のケツをいわすサンタ!おまけにビリー・ボブ・サンタの真の目的はデパートに入り込んで金庫を破ることなのだ。ところがそんなクズ親父を本物と思い込んだのはイジメられっ子のグズ少年だった。「サンタさん、このヒゲ、にせものだね」「病気で抜けちゃったんだ」「どんな病気?」「悪い女に感染されたんだ」なんちゅう会話だ。監督は『ゴーストワールド』のテリー・ズワイコフで企画はコーエン兄弟。製作はミラマックスだが、親会社のディズニーは「こんなサンタ映画許せん!」と怒っている。クライマックスではサンタを信じる子供の目の前で……!(町山智浩/映画秘宝2004年3月号)

ゴーストワールド』のテリー・ツワイゴフ監督作。
知っている役者さんは出演していなかったのですが、主演のビリー・ボブ・ソーントンは英語版『もののけ姫』のジコ坊の声をやっているそうです。
彼が演じるのは、毎年アメリカ各地のデパートでサンタクロースのバイトをしている中年男。その正体はクリスマスの売上を狙う金庫破りなのですが、ひょんな事からいじめられっ子の男の子と知り合って…というコメディ映画です。
キャッチコピーで「史上最悪のサンタクロース」と謳っているだけあって、酒瓶片手に泥酔・寝坊・居眠り・あげくに失禁、子供にも暴言吐きまくりととにかくサイテーです(笑)。
キリスト教圏でよくここまで出来たなと思う反面、やはりと言うか後半は意外といい人になってしまった印象。個人的な好みとしては「サイテー野郎が最後にたった一度だけ善行をする」位のバランスの方が良かったと思います。

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