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ドゥニ・ヴィルヌーヴは、この作品が公開された2017年、『ブレードランナー2049』とともに映画秘宝年間ベストテンに2本ランクイン。これは2006年のクリント・イーストウッド(『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』)以来、史上二人目の快挙です。今、最も脂の乗っている監督といっても過言ではないでしょう。
作品の方はSF映画として非常に良く出来ていた印象。冒頭のUFO出現に対する人類の様子や「殻」の内部に入るまでの一連の描写などが非常にリアルでしたし、言語を理解する事により時制を超越するという展開も面白かったです(これは「サピア=ウォーフの仮説」から発想されており、この話を聞いた時「欧米には『肩こり』という言葉がなく、実際欧米人は肩こりをしなかったが、概念を理解すると肩こりをするようになった」という逸話を思い出しました。
またラストで主人公・ルイーズが取る選択には賛否両論あったようですが、私は「人類の未来を守る為に全てを背負うヒーローの孤独」のようなものを感じ、なんとも言えない気持ちになりました。
さて、監督の次回作は『砂の惑星』という事で、アレハンドロ・ホドロフスキーデヴィッド・リンチという巨匠二人のキャリアにミソを付けた原作をどう料理するのか楽しみです。