ブラックホーク・ダウン 感想

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2002年公開。
リアルな戦場を描いた映画」といえばどうしても思い出してしまうのは『プライベート・ライアン』ですが、同作が第一次世界大戦を舞台にしていたのに対し、『ブラックホーク・ダウン』は約20年前にソマリアで実際に起こった「近代戦」を描いています。
冒頭のシーン以外はとにかくひたすら戦場・戦場・戦場。
こういう言い方が適切かどうか分かりませんが、面白かったですよ。


ここからは、あくまで面白かったのを前提にした話。
まずは戦闘シーン全般。リアルかどうかの判断はもちろん私には分かりませんが、観ながらより手に汗握ったのは『プライベート・ライアン』の方でした。よく言われる残虐描写に関しても思ったよりソフトな印象。
次に敵側であるソマリア民兵の描写。「まるでエイリアンのようで人間として描かれていない」という方もいらっしゃるようですが、特に映画として見た場合私はむしろ徹底してソマリア側の人物描写は見せず、なんならブラックホークパイロットが捕虜になった後のシーンも無く、ラストの字幕で「釈放された」とだけ出した方が、アメリカ兵に感情移入している観客としてはより戦場の恐ろしさが感じられたのではないかと思いました。ソマリア側の言い分は冒頭シーンの、将軍と取引している商人のセリフだけで充分だったのではないでしょうか。
最後にラストでアメリカ兵たちが車輛に乗らずに安全地帯にあるスタジアムまでマラソンするシーン。実際には全員が乗り込む前に車輛が出発してしまった為、仕方なく走って着いて行ったらしいですが(車輛側も途中で兵士たちに気付いて待っていた)、ちょっと分かりづらかったです。映画的な盛り上げを意図したのかもしれませんが、せっかくリアル志向で進んで来たのに、私は???となってしまいました。


ちょっと文句が多くなってしまいましたが、それも他が素晴らしいから。ともかく戦争映画史に残る作品なのは間違いないと思います。


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