ゼロ・ダーク・サーティ 感想

  


町山智浩 ゼロダークサーティ「ビンラディン捕獲殺害ミッションに挑む」20121211

このヘヴィさと比べると『アルゴ』は少年マンガだなあ。(町山智浩/映画秘宝2013年3月号)

2013年公開。
3・11後のいわゆる「対テロ戦争」を描いた作品の中では一番面白かったです。
まず、ターゲットがビン・ラ−ディンという「超大物」ということもあって、彼の捜索を進めていくシークエンスを非常に面白く観る事が出来ました。一方、もうひとつのテーマといってもいい「有能な女性が無能な男社会の中で戦う」という部分もとても興味深かったです。
次に終盤の隠れ家の襲撃。ミーハーな感想で甚だ恐縮ですがネイビー・シールズがカッコイイ!歴戦の彼等が「ビン・ラーディン」の名前を聞いて色めき立つところは本作でも好きなシーンのひとつです。臨場感溢れる主観映像も迫力満点(ライティングをかなり抑えているので、部屋を暗くして観賞することをおすすめします)。
そして全てが終わったラスト。簡単には答えが出ないところも良かったです。
実際に観る前はもう少しドキュメンタリー・タッチなのかと思っていましたが、しっかりとストーリー仕立てになっており見やすかったです。拷問シーンや自爆テロシーン等辛いところもありますが、決して観て損は無い傑作だと思います。