新感染 ファイナル・エクスプレス 感想

  
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2017年公開。監督のヨン・サンホは約20年間で10本の短長編を発表しているアニメーション作家で、本作が初の実写作品。
前日譚となる『ソウル・ステーション/パンデミック』もアニメ映画として制作されています。

主演はコン・ユ。韓国社会に大きな影響を与えた『トガニ 幼き瞳の告発』が有名でしょうか。ちなみに妊婦ソンギョン役のチョン・ユミもこの映画に出演しています。

他には『パラサイト 半地下の家族』の長男役・チェ・ウシクも出演(野球少年ヨングク役)。

しかし何と言っても本作で最も目立っていたのはマ・ドンソクでしょう。
一度見たら決して忘れられないインパクトのあるビジュアル。素手でゾンビを殴り倒すキャラクターは初めて見ました(笑)。
マーベル映画『エターナルズ』での活躍も期待しています。

さて、感想ですがこれは傑作ですね
ジャンル映画として見てもほぼ完璧な出来だと思いますし、それにとどまらず社会風刺を入れ込んだり人間ドラマで泣かせに来たりと本当に隙が無い。

疾走する列車という密室を活かした見事な設定。駅のホームのガラスをブチ破って落下して来たり、列車に数珠つなぎで引きずられるゾンビの大群の描写も非常にフレッシュでしたし、コン・ユ、マ・ドンソク、チェ・ウシクの3人が大切な人たちを救出する為にチームを組む、燃えるシーンもありました。

また、パニック映画ではお約束の自分の事しか考えないサイテー野郎のキャラクターを登場させ、主人公も最初はどちらかというとソッチ寄りの人間として描きつつ、物語の過程で「そして父になる」成長を見せたり、娘の歌をラストで伏線回収したのもお見事。

…このように、ついつい話したくなるシーンが満載の良い映画でした。


※監督の最新作は日本未公開、ネットフリックスで独占配信中。
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