ガメラ3 邪神覚醒 感想

ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒 [Blu-ray]

　　
1999年公開、所謂『平成ガメラシリーズ』3部作の完結編。
まず始めにお断りしておきますが、私は一作目の『ガメラ 大怪獣空中決戦』は観ていませんし、二作目の『ガメラ2 レギオン襲来』もかなり以前テレビ放映時に観たっきりという状態での視聴となりました。
二作目はなかなか面白かったという印象が残っていたので、本作もそれなりに期待して観賞したのですが、結果としてはちょっと残念でした。
特撮シーンに関しては一部いかにもＣＧというところも有りましたが、評判の渋谷破壊シーンを始め（人々がガメラの炎に巻かれて吹き飛ぶシーンは興奮しました）、まずまずの出来だったと思います。
ただし、敵役の怪獣イリスの造形に関してはあまり魅力を感じませんでした。特撮監督の樋口真嗣さんは庵野秀明監督と親交が深く、ガイナックスの設立にも参加した人物らしいですが、そんな事はもちろん知らない家内がイリスを見るなり「エヴァンゲリオンみたい」と言っていました（笑。
そして、なんといっても肝心のドラマ部分がいただけません。
まず、登場人物が多すぎ。
完結編という事で、前二作からのオールスター的な出演・有名人のカメオ出演（仲間由紀恵の扱いのヒドさには笑いました）はある程度仕方ないとしても、ヒロイン比良坂綾奈（前田愛）と彼女に好意を寄せる守部龍成（小山優）の弟・妹はいなくてもストーリー上まったく問題ないし、綾奈が身を寄せている日野原家の長男・繁樹（堀江慶）も彼女に親切にする若い男の役ということで龍成とキャラクターを一本化出来たと思います。さらに朝倉美都（山咲千里）と倉田真也（手塚とおる）に至っては、そもそも物語の進行上必要無いのではとさえ思ってしまいました。
ストーリーに関しても上の二人が綾奈をさらう意味が良く分からなかったり、龍成が持っている十束剣が大して役に立たなかったり、自衛隊がイリスを攻撃するのに機関銃かよ！とか細かい話を挙げるとキリがありません…
さまざまな背景・事情があるのかもしれませんが、一本の映画として観た場合そのような感想を持たざるを得ませんでした。

平成ガメラ Blu-ray BOX