母なる証明 感想

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2009年公開。
ところでこの邦題『母たる証明』が日本語的に正しいのでは？（「母なる大地」「母なる海」みたいに、これでは証明＝母という意味になってしまう気がするんですが…）
まあそんな事はさておき、ポン・ジュノ監督の長編映画を観るのはこれで三作目なのですが（『殺人の追憶』『グエムル』）、監督への信頼は完全に揺るぎないものとなりました。
映画評論家としても敬愛しているライムスター・宇多丸氏が、ポン・ジュノ作品を評して「めちゃくちゃ面白くて、めちゃくちゃ良く出来ているけど、変っな映画（褒め言葉）」と仰っていましたが、本作もオープニングで「母」（キム・ヘジャ）が広い草原でいきなり踊り出し度肝を抜かれました。しかしそれ以降はむしろ前二作と比べて非常にストレートな印象で映画として観やすかったです（その分「鍼箱」「太股のツボ」の伏線は早めに見当が付いてしまいましたが…）。
キャスティングも相変わらず素晴らしい。キム・ヘジャの狂気を秘めた演技。そして息子トジュン役のウォンビンの確かな演技力にも感心させられました。かつて「韓流四天王」などと呼ばれていた時代に名前だけは知っていたのですが、実際に出演作を観たのは先日の『アジョシ』が初めてであり、それとは全く異なる役柄、しかも兵役後の復帰一作目だという事で二度びっくり。彼は非常に良く考えて出演作を選んでいる印象があり、今後の作品にも注目して行きたいです。
監督は現在、次回作『雪国列車』を撮影中。海外スターが多く出演し（でもソン・ガンホは出ます！）、全編ほぼ英語でのストーリーとなるそうで、新たな一面が見られるのか今から楽しみです。

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