凶悪 感想


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宇多丸が山田孝之主演の映画「凶悪」を絶賛

昨年観た映画のなかで「やられた!」と思うシーンがいちばん多かった。「善悪関係ないよ」とか「先生、長い長い!」とか。リリーが爺さんの口に酒瓶を突っ込んで殺すシーンもイラマチオに見えるように撮ってたりして。(町山智浩/映画秘宝2014年3月号)

2013年公開。
いわゆる「実録犯罪もの」。近年だと『冷たい熱帯魚』なんかがそうですね。
恥ずかしながらベースとなった事件に関しては全くの無知で、また実話が持つリアリティもあって大変興味深く観賞しました。
そして他の方の感想でも皆さん口を揃えるように山田孝之ピエール瀧リリー・フランキーの主演三人の演技が素晴らしい!特にピエールさんとリリーさんは旧来の友人だそうで、二人の関係性がそのまま役柄にも活かされており有無を言わせぬ説得力がありました。
他に印象に残ったのは被害者の電機設備店経営者役のジジ・ぶぅさん。この方もリリーさんの友人らしく映画のクライマックスと言ってもいい彼の殺害シーンは、その「遠慮の無さ」が相まってあまりの非道さに不謹慎ながら思わず笑ってしまいました。
不満だった点を強いて挙げれば山田さん演じる雑誌記者・藤井の家庭描写がちょっと過剰過ぎたかなあ。主人公側を正義のヒーローとして描かなかった監督の意図は解るんですが、妻が自分の母親に暴力を振るわれているのに、見て見ぬふりはないだろうと思いました。


モラルの問題等難しいところもあるのでしょうが、こういったジャンルの傑作が年に一本はあると邦画界もより活性化するのではないでしょうか。


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↑でんでんさん、ピエールさん、リリーさんはどんな役を演じていても裏で人を殺しているとしか思えなくなりました(笑)
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↑「実録犯罪もの」の傑作といえばやはりこの映画。