ベティ・サイズモア 感想

  

小さなダイナーでウェイトレスとして働くベティは、親切で誰からも慕われる一方、粗野な夫デルは秘書のジョイスと浮気をし、隠れてドラッグを捌くとんでもない男だった。ベティの楽しみは、病院を舞台にしたソープオペラ『愛のすべて』(A Reason to Love)を見ることで、仕事中にも夢中でテレビを見るほど熱中していた。
そんなある日、ドラッグ絡みで夫が二人組の殺し屋チャーリーとウェズリーに惨殺されるところを見てしまう。精神の均衡を保てなくなったベティは、自分は看護婦で、ソープオペラの主人公デヴィッドが自分を待っていると思い込み、一路ハリウッドへと向かう。しかし、殺人の現場を見られたことに気がついたチャーリーとウェズリーは、ベティの後を追っていくのであった。(Wikipedia

昨年『ジュディ 虹の彼方に』でアカデミー主演女優賞に輝き、見事に復活を果たしたレネー・ゼルウィガー
2001年公開の本作は彼女のブレイク作『ブリジット・ジョーンズの日記』の前年に制作されています。
 

この作品何気に出演陣が豪華で、彼女を追いかける殺し屋コンビに名優モーガン・フリーマンと人気コメディアンのクリス・ロック
他にも『ダークナイト』のアーロン・エッカートや『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のクリスピン・グローヴァー等も出演しています。

感想としてまず挙がるのは、何と言ってもレネー・ゼルヴィガーの演技の素晴らしさでしょう。
目の前で夫を殺されたショックで妄想の世界に逃げ込んでしまった平凡な主婦の、一見普通に見えながらも狂気が見え隠れするヤバさと、殺し屋チャーリー(モーガン・フリーマン)やテレビスターのマッコード(グレッグ・キニア)がつい惚れてしまうキュートさを見事に両立させています(実際に本作でゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞)。

ストーリーもロードムービーの楽しさやアンジャッシュコントを織り交ぜつつ、最終的にはフェミニズム的かつ非常に爽やかな結末へと上手くまとめています(死人が何人も出ているのに!)。
全体的にはコメディタッチで楽しく観れますが、ベティの夫が殺されるシーンだけ引く程グロいのでご注意下さい!