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サム・ペキンパーやイーストウッドの西部劇が好きなら全編号泣。監督がインタビューで、オマージュ捧げた映画として『砂漠の流れ者(ケイブル・ホーグのバラード)』を挙げたとき「そうそう!」と思ったよ。(町山智浩/映画秘宝2012年3月号)
2011年公開、タイトルはマカロニウエスタンの名作『続・荒野の用心棒』の原題『Django』から。タランティーノも同名の映画を撮っていますね。
監督は『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのゴア・ヴァービンスキー。
この映画はファミリー向けブロックバスター映画ばかり撮ってきた彼が本当に作りたかった作品で、結果各方面で高評価を得たばかりか見事アカデミー長編アニメ映画賞まで獲得しました。
主演(声と動きも)は監督の盟友と言っても良いジョニー・デップ。
主人公のカメレオン・ランゴは『ラスベガスをやっつけろ』で彼が演じたラウル・デュークのキャラクターをそっくりそのまま真似ています。
監督曰く「(当時)50歳位の男性向けに作った」との事で、その年代の方なら分かる西部劇を始めとした様々な映画のオマージュに溢れています。
例えば登場キャラクターのモデルにアーネスト・ボーグナインやリー・ヴァン・クリーフ、ジョン・ヒューストンらがなっていたり、ある重要な役で「マカロニウエスタンと言えばこの人」そのものズバリが出てきたり。
他にも、私は『スターウォーズ』と『マッドマックス2』位しか分かりませんでしたが名作のシーンのパロディも色々と有るみたいです。
とは言え、超大作で培ったエンターテイメント性もしっかり盛り込み、元ネタが分からなくてもちゃんと楽しめる作品になっていますし、そんな中に「何者でもなかった主人公がイニシエーションを通じて本当の自分になる」と言ったテーマを忍ばせているのもお見事。これは中々の傑作だと思います。
一つ苦言を呈するとすれば、各所で指摘されている翻訳問題。
ヒロインの名前をビーンズ→マメータに変更していたり、一部のキャラクター(おそらくメキシコ訛り)のセリフを関西弁にしています。吹き替えを吉本芸人の方がやっている訳でもないし、関西弁って別に「田舎者」のイメージじゃないんですよね。
なので、個人的には字幕観賞でヒロイン名をビーンズ・関西弁を皆さんの考える田舎っぽい方言に脳内変換して観賞するのがオススメです(笑)。