プライベート・ライアン 感想

プライベート・ライアン スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

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これはプラモ少年の夢の世界。完全にマンガだよね。松本零士の「戦記まんがシリーズ」にそっくり。(町山智浩/映画秘宝EXこの映画をみろ!’99)

1998年公開の映画史に残る名作。
この作品、戦場のリアルな描写が凄いとよく言われます。
もちろん私達のほとんどは実際に戦場を知っている訳ではありません。では、何をもって「リアルだ」と言えるのでしょうか。
先日たまたまラジオでTBSアナウンサーの安東弘樹さんがこの映画についてこんなエピソードを語っていました。(一部編集しています)

(TBSラジオ ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル 2012年2月25日放送『シネマの中の銃ハスラー』より)
安東(以下、安):この「プライベート・ライアン」の試写に、ノルマンディー上陸作戦に参加した元兵隊を招待したらしいんですね。で、馬鹿にして彼らは観にいったんです。また例の(リアリティの無い)似たような戦争映画が来るなと思って。で、観終わりました。一人も席を立ち上がれなかった。なぜならば、俺達が経験したものがそのままそこにあったからだと。これは映画ではないと言って、実際に作戦に参加した元兵隊さん達が身じろぎも出来なかったと。
宇多丸(以下、宇):恐るべしスピルバーグですね。
安:恐るべきスピルバーグです。それは、音も、臭いまでしてきたって言うんです、彼らは。
宇:まあ、だから記憶がフラッシュバックしちゃう位、本当に。
安:兵隊さん達がこれなんだ、こうだったんだと。
宇:保証してるんだもんね。その時いた人達が。地獄絵図の中にいた人達が。
安:シーン、と1分間位静寂があったらしいんですけど、その後に大拍手が起こったんですね、スピルバーグに対して。よくぞ、あの悲惨な戦争を表現してくれた、と。

リアリティという部分で言うと、たった一人の兵士の救出の為に部隊が組まれるのかと言う点には疑問がありますが、兄弟全員を死なせないように配慮する「ソウル・サバイバー・ポリシー」というルール自体は実際にあるそうです。


安東さんのコメントでもう一つ、印象に残った部分を。

安:マット・デイモンに、トム・ハンクスが「earn this」って言うんですよ。それが、訳が難しいんです。「無駄にするな」って言うような訳が確か付いていたと思うんですけど。
宇:魂が、ある意味継承された感、っていうのを。
安:でも、あの字幕もね、「無駄にするな」じゃないんだよな。earnっていうのはもっと深い意味の言葉なんですよ。これを全て血にしろ肉にしろ、全てのこれを凝縮させろ、と。
宇:お前に託す、みたいな。
安:で、最後にね、お墓参りした年老いたマット・デイモンが奥さんに「俺は良い人間だったか」と。まあこれも字幕は「良い人間」?と思ったんですけど。いわゆるその、earn出来たかと。みんなに助けてもらった命をちゃんと無駄にしなかったか?っていうのを聞くシーンがあって。そこで僕は号泣したんですけど。で、奥さんが「you did」って言うんですね。あなたは無駄にしなかったと。
宇:earn出来たわよと。

ちなみに字幕は戸田なっちゃんでした…


スピルバーグトム・ハンクス製作のテレビドラマ。

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