ブギーナイツ　感想

気は小さいがチンポはデカい高校生が本番ポルノ男優としてスカウトされ、スターになるが、アダルト・ビデオに押されて落ち目になっていく……。ハードコア・ポルノ業界の衰勢を「ザ・ベスト・オブ・マイ・ライフ」とか泣かせるディスコ・ヒットにのせて描く70年代グラフィティ。『カジノ』みたいな構成、『ファントム・オブ・パラダイス』みたいなカメラワーク、『レザボア・ドッグス』みたいなバイオレンス、『アニマル・ハウス』みたいな無邪気さ、そして『アメリカン・グラフィティ』のようなほろ苦さ、それが全部詰まった二時間半。ラストにチンポの特出しがあるからアカデミー賞はムリ（日本でもノーカット上映はムリ）だろうが、アンダーソン監督（二十七歳）は今年最大の新人だ！しかも、主人公はブルース・リーおたく！田野辺もチンプイも、これで泣かずにいられるか！（町山智浩/映画秘宝期間限定版ベストテンなんかぶっとばせ！！）

1998年公開。
「ポルノ映画業界の内幕を描く」みたいな話だと聞いていたのでコメディ色の強い作品だと思って観ましたが、実際は若者の成功と挫折、そして「家族」を描いた非常に味わいのある映画でした。
主演のマーク・ウォルバーグを初めて認識したのは『ザ・シューター/極大射程』だったので、あらためて役者ってすごいなと思いました（笑。
脇役陣も何気に豪華で、私は特に疑似家族の父親的な役割であるポルノ映画監督役のバート・レイノルズが印象に残りました。彼は70〜80年代に活躍したアクションスターで、『ロンゲスト・ヤード』『グレート・スタントマン』『キャノンボール』などの代表作があります。映画を観ている時は彼だとは気付きませんでしたが、ちょっとショーン・コネリーにも雰囲気の似た、いい年齢の取り方をしたなと思いました。
ちなみにラストシーンでマーク・ウォルバーグが見せるあるモノはＣＧらしいですよ（笑。